金価格を動かす5つの要因とは?

2016年10月28日

金の主な変動要因は5つ

金の価格は日々変動しています。2016年10月12日現在、金地金(1kg)の販売価格は450万円程になりますが、この水準でひと月に20~30万円位は普通に変動します。

金の主な変動要因は、(1)需給バランス、(2)米ドルの価値、(3)地政学リスク、(4)インフレ、(5)各国中央銀行の売買動向、の5つ。以下の表のように、それぞれの要因で金価格は上昇したり、下落したりします。そのため金価格を予想する際は、今どの要因が金価格に大きな影響を与えているのかを見極めることが大切になります。

1.需給バランス

一般的にモノの価格は、需要が供給を上回ると売り手が強気になり、価格が引き上げられ、逆に需要が供給を下回ると買い手が強気になり、価格が引き下げられます。この結果、高すぎれば安い方向に、安すぎれば高い方向に価格が変動し、最終的には均衡点(市場価格)に落ち着きます。

需要と供給のメカニズム

金価格も同じように需給のバランスによって決まりますが、他と違うのは世界中で取引されており、24時間絶えず動いているという点です。世界中で取引されているというのはそれだけ取引している人が多いということ。それだけに多くの人が納得する、より公平性の高い価格が形成されているといえるでしょう。

金の需給バランスは、金鉱山の生産量やスクラップ回収量、投資需要、宝飾品の売れ行き、各国中央銀行による売買量などに左右されます。詳しくは、『よくわかる金の需要と供給』をご覧ください。

2.米ドルの価値

米ドルは、数ある通貨の中で最も信頼度が高く、世界中で使われている基軸通貨です。それだけに、世界各国の中央銀行が外貨準備として保有しているのはほとんどが米ドルです。とはいえ、100%信用できると言い切ることはできません。そうしたリスクを抑えるために、各国の中央銀行は、そのもの自体に価値を有する、無国籍通貨の「金」も同時に保有しています。金は米ドルを補完する重要な資産というわけです。

このように金は通貨としての側面を持ち、安全資産として米ドルと比較されることから、米ドルが安くなる(価値が下がる)と、それをヘッジする資産として金が買われるようになります。したがって、一般に米ドル安は金価格の上昇要因、逆に米ドル高は下落要因といえます。2016年の年初から金への投資需要が増大(1~3月に618トンと前年同期の約2.2倍に拡大)したのは、市場がドル安を見込んだためと言われています。

また、金価格は米ドルの価値に影響を与える米国の金利にも左右されます。一般に金利低下は金価格の上昇要因、逆に金利上昇は下落要因です。

米ドルの価値は、通貨の供給量にも左右されます。供給量が増加すると米ドルの価値は下がり、逆に減少すると米ドルの価値は上がります。したがって、一般に米ドルの供給量増加は金価格の上昇要因、逆に供給量減少は下落要因となります。

ただし、金価格はさまざまな要因で動いているため、金相場と米ドル相場は必ずしも逆相関になるとは限りません。

3.地政学リスク

地政学リスクとは、テロや戦争、国の財政破綻、大企業の倒産などの影響から、特定地域や世界の政治・経済が不透明になることです。2001年9月、米国同時多発テロが発生した直後に、米国の株価が急落し、世界経済の停滞を招いたことを指し、FRB(米連邦準備制度理事会)が2002年9月の声明で初めてこの言葉を使ったといわれています。その後、G7(先進7カ国)声明でも取り上げられ、今ではすっかりメジャーになりました。

こうした地政学リスクが高まり、経済や金融市場に不透明感が増すと、「有事の金」といわれるように金が買われるようになり、価格が上昇します。

株式や債券などの金融商品には必ず発行体(発行元)の信用リスクが伴うため、万一、発行体が破綻すれば、無価値になってしまいます。これに対して、信用リスクがなく、無価値になることのない金が投資マネーの逃避先になるからです。このため、金は「The Last Resort(最後の手段)」とも呼ばれています。

4.インフレ

物価上昇が続くインフレになると、お金の価値(購買力)が下がります。例えば、今まで10万円で買えたモノがインフレになって物価が上昇すると、10万円以上出さないと買えなくなります。
こうしたインフレのヘッジに有効なのが「金」です。金は実物資産なので、物価上昇が続くと、モノの代表である金の価格も値上がりするからです。

したがって、インフレ懸念が持ち上がると、金が買われるようになって価格が上昇します。逆に、インフレの沈静化は金価格の値下がり要因になります。

また、金価格は米ドル建てが世界標準(国際金価格)となっているため、円安・ドル高は円建て国内金価格の上昇要因となります。

このようにインフレに強い金ですが、最近では物価の下落が続くデフレにも強いといわれています。現在の日本のようにデフレが進行して景気の悪化が顕著になると、企業や国家の信用不安が高まります。そして株や債券などが下落するため、破綻リスクのない実物資産の金が買われる傾向があるからです。

5.各国中央銀行の売買動向

各国の中央銀行(公的機関)は、いざというときの対外債務の支払いに充てる外貨準備の一部として金を大量に保有しています。

その総量は2015年末現在、3万2686トン(IMFなどを含む)と、地上在庫18万6200トンの6分の1近くにも及んでいます。

1980年代から90年代にかけては、欧州の中央銀行を中心に、金利の付かない金を売却して米ドルなどへの乗り換えを進めてきました。そのため、中央銀行はかつて金の売り手でしたが、2010年以降は買い手に変わっています。

その大きな理由の1つは、米リーマン・ショックなど世界的な金融・経済危機によって、基軸通貨である米ドルに対する信認が揺らいでいることです。また、新興国の中央銀行が積極的に金を購入し始めたことも理由といえるでしょう。著しい経済成長で輸出が拡大して外貨準備高が増加したこと、ドル偏重傾向にあった外貨準備高の見直しを図ったことなどがその要因とされています。

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