今話題のシムズ理論とは?
 

2017年04月5日

日本だけ物価が上がらない

日銀が量的・質的金融緩和政策を導入してから、かれこれ4年が経ちました。その間、手をかえ品をかえマイナス金利まで導入しましたが、物価はなかなか上がりません。経済成長率も安定的に実質で2%を超えてこず、政府の目論見は外れ、2020年度の基礎的財政収支(PB)の黒字化は絶望的な状況です。金融政策の限界論が浮上する中、安倍首相のブレーンの浜田宏一内閣官房参与が肩入れし、注目を浴びているのがシムズ理論。当のシムズ氏は1月末に来日し、日本に対する政策提言を行っています。


※ シムズ理論とは…

2011年にノーベル経済学賞を受賞した米国の経済学者クリストファー・シムズ氏(現プリンストン大学教授)が唱えた「物価水準の財政理論(FTPL)」のこと。増税ではなく財政拡大によって、デフレ脱却と債務圧縮が可能と主張したもの。

危険なインフレ実験が、新たに始まる?

この理論を単純化すると、「財政規律を一時的に捨て、物価目標をとにかく優先する。増税と歳出削減は実施せず、財政拡大でインフレを起こし、債務の一部と相殺させる。中央銀行は政府の財布となり、予想外に物価が上昇した時だけ対応する」というもの。言い換えると、「インフレを起こすには適度な財政悪化が必要。政府・日銀がタッグを組み、臨時的に無責任体制を宣言し、人々のインフレ期待を醸成する」ということになります。

トランプ米大統領が円安誘導に繋がる金融緩和には難色を示しており、米国と同様の財政拡大政策なら理解も得やすくなります。また、消費増税の先送り手段にも活用でき、まさに一石二鳥のシムズ理論に政府の心が傾きつつあっても不思議ではありません。現代の先進国で高インフレが回避されているのは、中央銀行に独立性を与え、政府の放漫財政を抑制してきたからです。ただ、その結果として低成長時代が長引き、果実は少なく負担ばかり増えています。それが今のポピュリズム台頭と財政政策への傾注というトレンドの原因とも言えるのではないでしょうか。今後、世界的な財政インフレの時代が訪れる可能性は十分ありそうです。

ただシムズ理論の最大のリスクは、制御不能なインフレを引き起こす危険性があること。インフレ目標達成後、金融引き締めに動けば景気悪化で税収が減り、インフレ圧力が高まれば金利は上昇し、国債の利払いが膨らむことになります。日銀は国債を買って金利上昇を抑制しますが、債務膨張懸念の円安圧力は止められません。つまり、どう転んでも一旦走り出したインフレは止められそうにありません。

最近のメディアは、異常なほどこの話題を取り上げています。もちろんシムズ理論が採用されるかは未知数ですが、世界的なインフレ傾向が出始めている今、その対策を早めにしておくことが、我々日本人にとって必要なのではないでしょうか。

(第一商品企画部)

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