イスラム金融の金解禁でどうなる金価格!?

2017年06月21日

イスラム金融で金ETFの投資が可能に

「イスラム金融」という言葉をご存知でしょうか。

ムスリム(イスラム教徒)向けのイスラム法に適った金融取引のことで、利子の受け取りが教典(コーラン)で禁じられている点が大きな特徴です。その他、主な原則として(1)投機的取引の禁止、(2)不確実な取引の禁止、(3)禁忌的行為の禁止などがあります。

イスラム金融は2000年代、原油高騰を背景に市場規模が拡大し、その存在感が年々大きくなってきました。このため、欧米の金融機関がイスラム法に適合したスキームの債券(スクーク)や保険(タカフル)などの金融商品を開発・販売するなど、世界の金融市場にも大きな影響を与える存在になっています。2015年末現在、イスラム金融の市場規模は約1兆8,800億ドル(約206兆円)に達しています。

こうした中、2016年12月5日、イスラム金融機関会計監査機構(AAOIFI)と、産金業界団体のワールドゴールドカウンシル(WGC)は、これまで不明確だったイスラム金融の金投資の基準を公表し、現物の裏付けを伴う金関連投資に道筋をつけました。

そして17年2月、マレーシアの助言会社アマニー・アドバイザーズが、世界最大の金ETF「SPDRゴールドシェア」をイスラム法に適合していると認定しました。同社は、金融商品がイスラム法に適っているかどうかを判定する世界的に権威のある会社。こうして、「SPDRゴールドシェア」は金投資関連商品の第一号案件となったのです。

今回のイスラム金融への金ETFの解禁で、推定人口約16億人のイスラム圏から、どれほどの金需要が生まれるのか注目です。ムスリム人口の多い国トップ5は、1位インドネシア(人口約2億人)、2位パキスタン(同約1.78億人)、3位インド(同約1.77億人)、4位バングラディッシュ(同約1.48億人)、5位エジプト(同約0.8億人)。イスラム教はアラビア半島で誕生しましたが、ムスリム人口で見るとアジアが約6割。意外ですね。

世界の宗教別人口は現在、1位がキリスト教徒で約22億人、2位がイスラム教徒で約16億人となっています。しかし、イスラム教徒が住む地域の出生率が高いことから、2070年にはほぼ同数になり、2100年になるとイスラム教徒が最大勢力になるとの予測もあります。

イスラム金融の参入が金の巨大需要を生む可能性は?

今回の金投資の基準策定にも関わったWGCは、「2020年までにイスラム金融の市場規模は2兆ドル(220兆円)に達する。非常に保守的にみてもその1%は金市場に流れ、200億ドル(1トロイオンス=1250ドルとして約500トン)の需要が生まれる」と予想しています。

WGCの予想どおり、イスラム金融の市場規模の拡大に伴い、500トンの需要が発生するなら、年間生産量(2016年は約3200トン)の15%に相当します。そうなれば、かつて金ETFの誕生後、金需要が増大し、金価格が大きく上昇したときと同程度のインパクトを金市場にもたらすことになるでしょう。

金ETFは、投資家の購入額に応じて金地金の現物を購入・保管する仕組みの商品です。このため、金ETF残高の増加は、新たな金投資需要の発生を意味し、その分の金地金が現物市場から吸い上げられ、倉庫に保管されます。当然、その規模が膨れ上がると、現物市場の需給がタイトになり、金価格の押し上げ要因となります。

実際、「SPDRゴールドシェア」が上場された2004年から2008年にかけては、年間の金生産量2,500トン前後の約1割に当たる量が金ETFに吸収されたことから、金価格(円建て)は下記チャートのように約3.3倍上昇しました。今後の金ETF残高の変化は要注目です。

 , ,

この記事が気に入ったらシェアしよう

イスラム金融の金解禁でどうなる金価格!?





金地金・金先物取引などお気軽にご相談ください。
お電話でもどうぞ

動画で学ぶ金投資

金投資について楽しくわかりやすい動画コンテンツです。
大人気GOLD君が大活躍中!是非一度ご覧ください。

  • 第一話 いま話題の金投資って?

  • 第二話 どうして今金が注目されているの?

  • 第三話 金っていくらするの?

動画で学ぶ金投資




  • カテゴリー

  • 人気記事ランキング

    最新の投稿記事

    注目のキーワード