デリバティブって何?

2017年12月22日

主な種類は「先物」「オプション」「スワップ」

デリバティブとは、株式や債券、通貨、農産物、貴金属、エネルギーなどの現物(原資産という)から派生して生まれた取引のこと。日本では「金融派生商品」とも呼ばれています。
この説明だけ聞くと「仕組みが複雑でプロが利用する商品」といったイメージを持つ人が多いかもしれません。でも、じつは私たち個人投資家が資産運用に利用できるデリバティブ取引もたくさんあるのです。

デリバティブの主な種類には「先物取引」「オプション取引」「スワップ取引」があります。

では、デリバティブはどんな目的で利用されているのでしょうか。
それは大きく分けると、「リスクヘッジ」と「スペキュレーション」の2つ。
リスクヘッジとは、将来起こりうるリスクを回避したり軽減したりすること。詳しくは後述しますが、価格変動リスクをヘッジするために、先物取引やオプション取引が利用されます。

もう一方のスペキュレーションとは、価格の動きを予想して積極的にリターンを狙う投資手法のこと。多様な相場観や投資判断を持つスペキュレーターの市場参加は、公平な価格形成や豊富な流動性、リスクの引き受け手(リスクの移転先になる)などにおいて重要な役割を担っています。
では、それぞれの取引の仕組みを見ていきましょう。

リスクヘッジのために誕生した「先物取引」

まずは、「先物取引」。

先物取引とは、簡単にいうと「将来にある商品を売買することを、事前に契約しておく取引」です。なぜこうした取引が生まれたのでしょうか。

先物取引の起源は「江戸時代の大坂堂島の米相場」と言われているように、もともとは天候や災害などに価格が左右されやすい農産物のリスクヘッジが目的でした。

例えば、大豆の価格は天候や災害に大きく左右されます。大豊作になると価格が大幅に下がって、生産農家は結果として安く売る羽目になってしまいます。そこで、大豆の先物取引を利用し、将来の収穫時期に合わせて「現在の価格で大豆を売る契約」を予め交わしておけば、販売価格が固定され、価格下落による損失を回避(リスクヘッジ)できるというわけです。

一方、大豆を原材料とする豆腐メーカーや納豆メーカーは、大豆が不作で高騰してしまうと困ってしまいます。原材料の値上がりに応じて商品も値上げできればいいのですが、これまで100円で売っていた納豆をいきなり200円にするわけにもいきません。そこで、これらのメーカーは、将来の大豆の仕入時期に合わせて「大豆を今の値段で買う契約」をしておきます。こうすれば、仕入価格が固定され、価格の上昇による損失を回避できるというわけです。

先物取引なら商品を持っていなくても取引が可能

先物取引には「差金決済」という、商品の受け渡しをせずに、価格が変動して生じた差額だけをお互いにやりとりして取引を終了させる決済方法があります。このため、農家やメーカーだけでなく、実際の商品を取り扱っていない一般の投資家も市場に参加することができ、価格変動を利用して利益を狙うことができるのです。

先物取引で損益が出る仕組みは次のようになります。
取引を「買い」 から始めた場合
1.買った価格よりも高い価格で売り戻したとき ⇒ 利益
2.買った価格よりも安い価格で売り戻したとき ⇒ 損失
取引を「売り」から始めた場合
3.売った価格よりも安い価格で買い戻したとき ⇒ 利益
4.売った価格よりも高い価格で買い戻したとき ⇒ 損失


金を売って利益が発生する取引例

  • 今後金価格が下落すると予想し、金を1キログラム売る。売った時の金価格は1グラム当たり4,500円。
  • その後、予想通り金価格は下落。
  • 金価格が4,300円になったところで売っていた金を買い戻し、取引を終了する。

※ 手数料は計算にいれておりません。


金を売って損失が発生する取引例

  • 今後金価格が下落すると予想し、金を1キログラム売る。売った時の金価格は1グラム当たり4,500円。
  • しかし、予想に反し金価格はその後上昇。
  • 金価格が4,700円になったところで売っていた金を買い戻し、取引を終了する。

※ 手数料は計算にいれておりません。

オプションは「買う権利」と
「売る権利」の2種類がある

次は「オプション取引」です。

ここでいうオプションとは「選択する権利」を意味します。ある原資産を、あらかじめ決められた価格(権利行使価格)で、決められた期日に売買する権利のことで、次の2種類があります。
1 コール・オプション
期日に権利行使価格で買う権利。
2 プット・オプション
期日に権利行使価格で売る権利。

これらの権利はタダではありません。オプションの価格は、取引状況や期日までの時間などに応じて変動します。

さらに、それぞれのオプションには、買い手と売り手がいるので、オプションの売買には次の4パターンがあります。

オプションの買い手は、オプションの購入代金(プレミアムという)を支払い、権利を手に入れます。一方、オプションの売り手は、このプレミアムを受け取ることによって買い手の権利に応じる義務を負います。取引には期限があり、取引最終日まではいつでも反対売買して決済することができます。

買い手の損失は限定されるが、
売り手の損失は理論上、無限

オプションの買い手は、期日に権利を行使することも放棄することも可能です。権利を行使するメリットがない場合は、権利を捨てて、損失を最初に支払ったプレミアムに限定することができます。

例えば、「4,500円(権利行使価格)で買える権利」を100円で買ったとしましょう。原資産の価格が4,000円になってオプションの権利(45,00円で買える権利)を行使するメリットがない場合は、権利を放棄すればいいのです。この場合の損失は100円です。逆に、原資産の価格が5,000円になった場合は、権利を行使すると400円の利益を得ることができます(最初に支払ったプレミアム100円を引いた後の利益)。

持っている現物株を原資産とするプット・オプションをあらかじめ買っておくと、現物株だけを保有している場合より損失の軽減(リスクヘッジ)を図ることが可能です。例えば、日経225オプションを利用すれば、保有している日経225ETFの値下がりリスクを軽減できます。

一方、オプションの売り手は、利益がプレミアムに限定される一方、損失は理論上、無限になります。

例えば、「5,000円で買える権利」を100円で売ったとします。原資産の価格が4500円になって買い手が権利を放棄すれば、売り手は100円の利益になります。逆に、原資産の価格が5,500円になった場合、買い手が権利を行使するため、400円の損失が出ます(最初に受け取ったプレミアム100円を引いた後の損失)。しかし、原資産の価格は上限がありませんから、理論上、損失は無限になるというわけです。

「利益の上限は決まっているのに、損失が無限なんて割が合わない。オプションの売り手になる人なんているの?」と思った人も多いでしょう。

じつは、売り手のほとんどは機関投資家です。損失が大きく膨らむ可能性があるのに、なぜ機関投資家は売り手になるのでしょうか。

それは、一般に売り手のほうが勝率が高いからです。というのも、買い手は予想した方向に価格が大きく動かないと利益を得ることはできませんが、売り手は買い手の予想とは逆の動きに加え、小動きでも利益を得られるからです。

異なるキャッシュフローの交換がスワップ取引

最後は「スワップ取引」です。

スワップとは、ご存知のように「交換」という意味ですね。スワップ取引とは「あるキャッシュフローと、別のキャッシュフローを交換する取引」のことをいいます。なかでも取引量が多いのが「金利スワップ」と「通貨スワップ」です。スワップ取引は、取引所を介さず、当事者間(銀行と企業との間など)で直接取引する相対取引なので、交換の条件などは当事者間で決めることになります。

キャッシュフローとは「お金の流れ」のこと。ある一定期間に流入するお金を「キャッシュ・イン・フロー」、流出するお金を「キャッシュ・アウト・フロー」といいます。

金利スワップは、固定金利と変動金利の交換が最もポピュラーで、次のようにキャッシュフローを交換します。
○固定金利の資産(または負債) → 変動金利の資産(または負債)
○変動金利の資産(または負債) → 固定金利の資産(または負債)

<変動金利でお金を借りている場合>

将来、市場金利が上がると、返済額が増える金利上昇リスクがあります。そこで金利スワップを利用して、変動金利を固定金利に交換すれば、リスクを回避できます。金利が上昇しても返済額は増えません。

<固定金利でお金を運用している場合>

将来、市場金利が上がると、市場金利に比べて収益が見劣りするリスクがあります。そこで金利スワップを利用して、固定金利を変動金利に交換すれば、リスクを回避できます。市場金利が上昇すれば、収益を増やすことができます。

一方、異なる通貨のキャッシュフローを交換するのが「通貨スワップ」です。

例えば、ドル建ての社債を発行し、ドルで利息を払い、満期に元本を返済するのがドルのキャッシュフローですが、これを通貨スワップによって円のキャッシュフローに変えることができます。通貨スワップの場合は通常、金利の交換だけでなく、元本の交換も行われます。

 

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