金の需要
~様々な金の用途とは?~

2018年04月18日

宝飾品と個人投資で80%

金は身につけたり、飾ったりして愛でるためだけのものでなく、さまざまな用途で使われています。

世界的な貴金属調査会社であるGFMS社が発表した需給統計データでは、下図のように世界の金需要を「宝飾品」「産業用(エレクトロニクス、歯科・医療、など)」「公的購入(各国中央銀行による購入)」「個人投資(地金、コイン)」に分けています。

2017年(Q4の速報値)の世界の金需要は合計3,932トン。このうち宝飾品(2,152トン)と個人投資(1,030トン)で、全体の80.9%を占め、やっぱり人気はこの両者。特に金価格に大きな影響力を持っているのは個人の投資需要で、ドル建て金価格と個人投資の推移を比較すると、個人投資の増加が金価格を押し上げているのがよく分かります。

一方、宝飾品需要は前年に比べて13.1%増と4年ぶりに増加。2大消費大国の中国とインドに加えて、ベトナムの需要が特に増えました。宝飾需要でインドと中国の2カ国が占める割合は近年50~60%にも及んでいます。

需要が増えた原因としては、中国は人民元安で金の価値が見直されたこと、ネット通販の普及で宝飾品が簡単に購入できるようになったこと、インドは2016年末の高額紙幣廃止の影響から金の購入意欲が高まったことなどが考えられます。

ベトナムに関しては、安定した経済成長や株価上昇、販売網の整備などが需要増加の背景にあります。

金は私たちの便利な生活を支える存在

一方、産業用の金需要は369トン(需要全体の9.4%)。うちエレクトロニクスが267トン、歯科・医療が102トンとなっています。

エレクトロニクスの用途としては、半導体の電極の接続に使われるボンディングワイヤやプリント基板、LEDなどがあります。金は錆びにくく、高速で電気信号が伝わりやすいという特長から電子機器には欠かせない素材となっているのです。

身近なところでは、パソコンや携帯電話、デジタルカメラなどに使われています。また、あまり知られていませんが、人工衛星の保護剤や宇宙飛行士のヘルメットの紫外線防止にも使われています。

こう見てくると、いまや私たちの便利な生活は金はなくてはならないモノと言えますね。

最新医療でも金が使われている

医療需要に関しては、昔から歯科素材として多く使われています。ただ、以前は金歯がキラッと光るご老人をよく見かけましたが、近年はセラミックの使用が増え、金の歯科需要は減りつつあります。

一方、他の医療分野で金を活用した研究が活発に行われています。金は耐食性に優れ、人体への影響も小さいといった特性があるからです。

例えば、関節リウマチの治療に金をペースト状にした治療剤が使われています。また、金のナノ粒子を利用して抗がん剤をダイレクトにがん細胞まで注入するがん治療の研究なども始まっています。

医療技術がさらに高度化すれば、金需要がより大きく伸びていくかもしれません。

パソコンは手元にある金鉱山!?

皆さんは「都市鉱山」という言葉を聞いたことがあるでしょうか?

鉱山といっても実際の山じゃありません。使用済みの携帯電話やパソコンなどのことで、これらにはリサイクルできる膨大な量の金などの資源が眠っていることから、こう呼ばれるようになりました。

国立研究開発法人国立環境研究所のオンラインマガジンによると、ノートパソコン1台には、金が0.15グラム、銀が0.52グラム、銅が107グラム使われています。また、携帯電話には、金が0.007グラム、銀が0.011グラム、銅が12グラム含まれています。

国立研究開発法人、物質・材料研究機構によると、日本の都市鉱山の埋蔵規模は世界有数の資源国に匹敵するそうで、具体的には、金は6,800トン、銀は6万トンと、それぞれ世界の埋蔵量の約16%、約22%を占めています。さらに、インジウムが世界の埋蔵量の約61%、錫(スズ)は同約11%、タンタルは同約10%と、世界埋蔵量の1割を超える金属が多数あることがわかりました。

ちなみに「金鉱山」と認められるには、鉱石1トンあたり0.5グラム以上の金を産出する必要があるそうです。パソコンの基板1トンからは約140グラムの金が取り出せますので、ノートパソコン1台からとれる金は微量ながら、天然鉱石の金の含有率よりも高いということです。

自然の鉱山のように、どこに金があるかを探したり掘り出したりする手間やコストがかからないのもメリットです。まさに、パソコンは手元にある金鉱山といえるでしょう。

2020年東京オリンピックは「都市鉱山メダル」に

この都市鉱山に目をつけ、2020年東京オリンピック・パラリンピックの競技大会組織委員会では、使用済みの携帯電話など小型家電から取り出した金銀銅でメダルを作製する「都市鉱山からつくる!みんなのメダルプロジェクト」を実施しています。金銀銅合わせて約5000個のメダルをつくる予定で、現在、全国の自治体やNTTドコモショップで使用済みの小型家電を回収しています(2019年春まで)。

オリンピック・パラリンピックのメダルは、国際オリンピック委員会(IOC)により、大きさは直径70~120ミリ、厚さ3~10ミリ、重さ500~800グラムと決められています。金メダルは、銀製の土台に少なくとも6グラムの純金で金張りされます。ということは、1個の金メダルをつくるのに、少なくとも40台のノートパソコンが必要。携帯電話なら86台ないとダメですが、どちらも買い替え頻度が比較的高いため、集めるのは難しくないでしょう。

今回のように、メダル製作を目的に国民から小型家電を集め、そこから抽出された金属でメダルを作るという試みは、オリンピック・パラリンピック史上、初めて。うまくいけば今後も「都市鉱山メダル」が広がっていくかもしれません。

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