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「利回り」とは?

2018年05月22日

どれだけ増えたかの割合を示す「利回り」

「利回り」とは、元のお金(元本)に対してどれくらい増えたかを示す割合のことで、通常、1年あたりの平均利回り(年利回り)を指します。

運用の成果を計る基準となるばかりでなく、計算方法を知っていると自分の運用目標やリスクに合った金融商品を選びやすくなります。ただし、実際の利回り(実質利回り)の計算では、手数料や税金なども考慮する必要があります。

では、具体的に計算してみましょう。

利率3%の債券を100万円購入し、5年間保有して105万円で売却した場合、利回りはいくらになるでしょうか。利率とは「1年に発生する利子の元本に対する割合」のことです。

5年間の収益は20万円(利子15万円+売却額105万円-元本100万円)ですから、年平均収益は4万円(20万円÷5年)。元本は100万円だったので、利回りは4%(4万円÷100万円)となります。

もし97万円で売ったら、5年間の収益は12万円(利子15万円+97万円-元本100万円)となり、年間収益は2.4万円に。利回りは2.4%になってしまいます。

この場合、売却額が85万円以下になると、利回りはゼロ以下ということになりますね。

ちなみに、2018年4月5日に発行された国債(期間10年)の利率は年0.1%、発行価格は100円67銭。この場合の利回りは0.032%となります。

売却損益で大きく変わる株式投資の利回り

同じように「株式」「投資信託」「外貨預金」「不動産投資」についても見ていきましょう。

株式投資の収益には、売却益と配当金があります。例えば、1株あたり2,500円のA社株を100株買い、1株あたりの配当金が50円だった場合、2年間保有して2,900円で売却したときの利回りは以下のようになります。

売却益:2,900円×100株-2,500円×100株=4万円

配当金:1株あたり50円×100株×2年=1万円

利回り(%)=(売却益4万円+配当金1万円)÷投資元本25万円÷運用年数2年×100=10%

※実質利回りを計算する場合は売買手数料や税金を加味する必要があります。株の売却時にかかる税金は利益の20.315%です。

株式投資の利回りは売却損益によって大きく変わってきますが、配当狙いの中長期投資の場合は「配当利回り」が銘柄選びの判断材料として用いられることがあります。その場合は、1株あたりの配当金をそのときの株価で割って1年間の配当利回りを求めます。配当利回りの高い銘柄のほうが有利な運用が期待できます。

配当利回り(%)=(1株あたりの配当金÷購入株価)×100

先の例で配当利回りを計算すると以下のようになります。

配当利回り(%)=(1株あたりの配当金50円×100株)÷(株価2,500円×100株)×100=2%

2018年4月20日現在、東証1部全銘柄の配当利回りの単純平均は1.53%となっています。

ファンドごとのコストで利回りが変わる投資信託

投資信託の収益は、売却益と分配金ですが、株に比べて投資家が負担するコストの種類が多いことに注意が必要です。主なコストには、購入時手数料、信託報酬、信託報酬留保額があります。

利回り(%)=(売却損益+分配金-購入時手数料-信託報酬-信託報酬留保額-税金)÷投資元本÷運用年数×100

購入時手数料(販売手数料)は、投資信託を買うときに支払う手数料です。手数料は証券会社によって異なりますが、一般に購入価格の0~3%程度。購入手数料が無料の「ノーロードファンド」もあります。

信託報酬は、運用管理費用のことで、保有期間中、保有額に応じて所定の料率をかけた金額が毎日徴収され、販売会社・運用会社・受託会社へ支払われます。年料率は0.05~3%程度です。

最後の信託財産留保額は、投資信託を換金するときにかかる費用で、保有額の0~0.5%程度となっています。

これらのコストはファンドによって異なるため、購入する前に目論見書(運用の内容やコストなどを記載した説明書)で必ず確認しましょう。

投資信託の分配金利回りランキングに注意!

投資信託の分配金利回りランキングが証券会社などから発表されていますが、この見方には注意が必要です。というのも、運用益ではなく、元本の払い戻しによって分配を行い(特別分配金の支払い)、直近の基準価額が低くなればなるほど利回りは高くなるからです。下表のように、1年前は同じ基準価額で1年間の分配金額も同じだった投資信託AとBを比べた場合、大きく値下がりしたBのほうが利回りは高く表示されることになります。ですから、分配金実績だけでなく、基準価額の推移もチェックすることが大切です。

為替レートに左右される外貨預金の利回り

外貨預金の収益は、預金金利と為替差益ですが、利回りは解約時の為替レートに大きく左右されます。

ここでは、通貨を交換するときの為替手数料を加味しない外貨預金の利回り計算を説明します。利回りの計算式は以下のとおりです。

外貨預金の満期受取額(円ベース)[A]=

外貨元本 × 1 + 利率(%) 100 × 日数 365 × 為替レート(満期時)

利回り(%)=([A]-投資元本)÷投資元本×100

仮に、100万円を金利1%のドル定期預金(期間1年)に預けた場合、為替レートが預入時1ドル=100円、満期時に103円だったとすると、利回りは以下のようになります。

外貨元本=100万円÷1ドルあたり100円=1万ドル

外貨預金の満期受取額(円ベース)[B]=

外貨元本1万ドル × 1 + 1 100 × 365 365 × 為替レート(満期時) 103円 = 104万300円

利回り(%)=([B]104万300円-投資元本100万円)÷投資元本100万円×100=4.03%

ドル定期預金の金利は1%ですが、利回りは4%を超えました。預入時よりも円安になり、収益に為替差益がプラスされたからです。逆に預入時よりも円高になると為替差損が発生し、利回りが下がったり元本割れしたりするリスクがあります。ちなみに、税金は外貨ベースの利息に対して20.315%がかかります。

このように外貨預金は、いくら金利が高くても、為替レートによって損する可能性があることに注意しましょう。

参考までに、米ドル定期預金の金利は2018年4月23日現在、1カ月が0.56%、3カ月0.98%、6カ月1.17%、1年1.33%となっています(「三菱UFJダイレクト」のケース。税引前の年利表示)。

不動産の収益力を表す「表面利回り」

不動産投資の利回りには、物件の収益力をざっくりと把握する「表面利回り」と、さまざまなコストを含めた「実質利回り」があります。

表面利回りは、以下の式で求められます。

表面利回り=満室時の年間の家賃収入÷物件購入価格×100

例えば、価格が3億円(マンション1棟+土地)、家賃が毎月12万円、部屋数が20室で満室とすると、表面利回りは次のようになります。

表面利回り=満室時の年間の家賃収入(家賃12万円×20室×12カ月)÷物件購入価格3億円×100=9.6%

一般に表面利回りの損益分岐点は「7~8%以上」と言われています。

一方、実質利回りは、仲介手数料や管理費、ローンの利息、固定資産税などさまざまな費用を加味して計算します。正確な収益力を判断するには、すべてのコストを加えることが大切です。

先のケースでトータルのコストが年間1000万円とすると、実質利回りは以下のようになります。

実質利回り=満室時の年間の家賃収入(家賃12万円×20室×12カ月-トータルコスト年1000万円)÷物件購入価格3億円×100=6.26%

長期にわたる不動産投資は、建物が古くなってくると入居者が決まらない空室リスクや修繕リスクなどが出てきます。くれぐれも注意しましょう。

インカムゲインのない金地金の利回りは?

このように利回りは、金融商品(または収益不動産)を保有している間に受け取れる収益(インカムゲイン)と、それを売却したときの売買損益によって変わってきます。

では、金地金の利回りはどのような計算式になるのでしょうか。

金地金には、株の配当やマンションの家賃のような収入がないため、持っているだけでは利益は得られません。そのため、無理にでも利回りを計算しようと思ったら、以下のように売却損益を基に計算します。

金地金の利回り(%)=(売却価格-購入価格(元本))÷年数÷元本×100

例えば、金地金1kgを450万円で購入し、2年後に470万円売却すると、利回りは以下のようになります。

(売却価格470万円-購入価格450万円)÷年数2÷元本450万円×100=2.22%

かなり強引に計算しましたが、そもそも世の中に利回りを考えて金を購入する人がいるかは怪しいものです。もちろん今後値上がりしそうだからという理由で購入する人はたくさんいます。ただその場合の利回りはあくまでも結果ですので、通常、我々が金融商品を比較する際の利回りの概念とはちょっと違うものですね。

これは金地金に限ったことではなく、今まで金融商品の利回りの計算方法を紹介してきましたが、最初から利回りが確定しているものは、債券(満期まで保有することが条件)しかありません。他の金融商品は、過去の結果、または計算上での推測値でしかありません。したがって、表面上の数値に惑わされることなく、自分が想定している利益を得られるかどうかよく検討してみることが大切です。

 

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