金利と金価格の関係
 

2019年01月21日

米国金利と金価格は逆相関関係

一般に、「米国の金利が上がると、金価格が下がる」と言われています。
これは、「米国の金利が上昇すると、他の通貨に比べて信用力の高い米ドルの魅力が高まる一方、安全資産とはいえ、配当や利子を生まない金の魅力は薄れて売られ、金価格が下落する」からです。

そもそも金は、米ドル建てで取引されているため、米ドルの価値が下がれば、金価格が上がり、逆に米ドルの価値が上がれば、金価格が下がります。
つまり、一般に米国の金利と米ドル、金価格は以下のような関係にあるといえるのです。

米国の金利が上がる→米ドル高になる→金価格が下がる

米国の金利が下がる→米ドル安になる→金価格が上がる

「実質金利」を見ることが重要

では、実際のところどうなのか、図1のグラフで米国の長期金利と米ドル建てのNY金の価格を比べてみましょう。ここでいう長期金利とは、指標となる10年物米国国債の利回りです。

概ね逆相関関係にありますが、時折、同じ方向に動いているところがありますね。例えば、1970年代を見ると、図2のグラフのように、1973年頃から75年頃にかけて米長期金利が上昇していますが、NY金価格も同じように上昇しています。

その理由はグラフを見てもわかるように、インフレ率が上昇し、実質金利が下がったため。ですから、金利と金価格の関係を見る場合は、この実質金利を見ることも重要なのです。

実質金利とは、表面的な名目金利からインフレ率(物価上昇率)を差し引いた金利のこと。例えば、名目金利が1%で、インフレ率が年2%だった場合、実質金利は-1%になります。

1975年2月は、米長期金利が7.4%、インフレ率は10.2%だったので、実質金利は-2.8%でした。このように物価上昇が進み、インフレ率が長期金利を追い越すと、実質金利はマイナスになります。

図2のグラフのように、この時期は実質金利がマイナスでした。つまり、1973年頃から75年頃にかけて米長期金利とNY金価格がともに上昇したのは、実質金利が下がっていたから。この背景として、「第一次オイルショック」(第4次中東戦争を機にアラブ産油国が減産と大幅な値上げを行ったため、石油価格が高騰し、世界経済に大きな衝撃を与えた出来事)が発生し、物価が高騰してインフレ率が上昇したことが挙げられます。

では、実質金利の為替相場への影響はどうだったのでしょうか。1975年の米ドルインデックスチャート(図3)を見ると、たしかに1975年は大きく米ドル安に触れていますね。ちなみに、米ドルインデックスは主要通貨バスケットに対するドルの強さを表す指標。計算に使われている通貨は、ユーロ(ユーロ前は独マルク)、日本円、英ポンド、カナダドル、スウェーデンクローナ、スイスフランの6つです。

ここ数年、アメリカでは利上げが続いたが

さて最近の実質金利と金価格の関係はどうなのでしょうか?図4を見ると、2010年代は米長期金利・実質金利とNY金価格は概ね逆相関で推移しています。

2018年現在、図4のように米国の実質金利はプラス圏で推移し、米ドルと金の相対的な比較では「米ドル優位」の状態が続いています。

米連邦準備理事会(FRB)は、12月に利上げし、政策金利は2.25~2.50%に。来年も数回利上げが行われるとの見方が大勢を占めています。利上げが米ドル高に結びつけば、金価格の下落要因になりますが、一方で景気が良くなって物価が上昇し、インフレ率が上がれば、実質金利は下がり、金価格の上昇要因となります。

折しも、米中貿易摩擦によって米国では今後、物価上昇圧力が高まると指摘されています。米国のインフレ率も今後の金価格を大きく左右するので、利上げの経過だけではなく、こちらも注目したいところです。

 

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