新興国が金を
買っている理由とは?

2019年01月24日

新興国の金買いで年初来安値から急反発!

2018年は、新興国の中央銀行による大量の金買いが話題になりました。WGCが11月に発表した需給統計によると、2018年7~9月期の公的部門の金購入量が148.4トンと、図1のように2015年10~12月期に迫る増え幅になっています。この影響でNY金は8月16日の年初来安値から急反発しました。具体的にどこの国が買ったかは図2の通り。

米国債を大量に売って金を買い増したロシア

2018年、最も金をたくさん買ったのはロシアで、国の保有量としては初めて2,000トンを超えました。ロシアでは、保有していた米国債を大量に売却する一方で、金を買い増ししました(図3)。主な理由としては、ウクライナ問題やシリアへのロシアの関与などで米国からの経済制裁が強化されたことで、ドル資産の凍結と制裁の影響をリスクヘッジする必要があったからです。“無国籍通貨”といわれる金は、どの国の政策にもコントロールされず、いつでもどの通貨にも時価で換金できるのです。

自国通貨の防衛に金を使ったトルコ

一方、トルコリラ安に苦しむトルコでは、自国通貨防衛のために外貨準備として保有していた金を一旦売却し、その後再び買って金準備を増やしたようです。自国通貨リラの下落を止めるためには、ドルを売ってリラを買い支える為替介入が必要。その原資としてトルコ中央銀行が準備していた金を使用したというわけです。

また、カザフスタンでは、自国で産出した金を中央銀行が購入し、保有量は毎年のように増え続けています。米国の状況によって価格が変わる米国債よりも、いろいろな通貨に換えられる金の方が資産としての安定性が高いということが理由のようです。

このほか、外貨準備の多様化や外貨準備のポートフォリオのリバランスなどを理由に、2018年に約20の新興国が金を購入しています。

各国中央銀行の金保有量を合わせると
地上在庫の約17.7%にも!

そもそも各国の中央銀行は、なぜ外貨準備というものを持っているのでしょうか。

外貨準備とは、中央銀行が為替相場のコントロールを目的に通貨を売買する為替介入や、通貨危機などによって他国に対して外貨建て債務の返済が困難になった場合に使うための準備資産のことです。

各国の中央銀行は、外貨準備として主に基軸通貨の米ドルを保有していますが、リーマン・ショックや欧州債務危機などをきっかけに外貨準備を多様化させる動きが見られるようになりました。米ドルやユーロだけでは不安、安全性の高い“無国籍通貨”の金も外貨準備にプラスしたい、というわけですね。

じつは、この外貨準備というシステムを加盟国の中央銀行に義務づけたのは、国際的な金融協力や為替相場の安定を図る目的で設立されたIMF(国際通貨基金)です。加盟国は、外貨準備の一部として金をどれだけ保有しているかを、IMFに報告しなければなりません。

過去を振り返ると、中央銀行全体では、2010年を機に金の売り手から買い手に転換しています。各国の中央銀行が保有する金を合計すると2018年11月末現在で、約3万3,695トン。これは、地上在庫約19万トン(2017年末現在)の約17.7%にも及びます。このため、中央銀行の動きが金相場に与える影響力も大きく、前述したような新興国の金買いが続けば、大きな上昇要因となるのです。

他国に比べて
外貨準備に占める金の割合が小さい日本

金保有国ランキング(表1)をみると、金を多く保有している国は、2018年12月現在で、1位が米国(8,133.5トン)、2位がドイツ(3,369.7トン)、3位がイタリア(2,451.8トン)となっています。ただ、ここ最近の先進国の金保有量はほぼ変わっていません。保有量を増やしているのは、前述したロシアや中国、インド、カザフスタンといった新興国です。

米国をはじめ、ドイツ、イタリア、フランス、オランダ、ポルトガルといった欧州の国は、外貨準備に占める金の割合が50%以上と高いのが特徴。欧州各国は1950~60年代にかけて保有量を急増させました。数多くの戦争を経験してきた国だけに、金への信頼感が高いことが背景にあるのでしょう。

ちなみに、日本の金保有量は765.2トン。世界で9番目に金を保有しているのですが、外貨準備に占める金の割合はわずか2.4%です。他の先進国に比べて極めて小さいですね。日本は米国との関係が強く、米国債を大量に保有しているのがその理由です。

 

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