金の相場予想に役立つ、
米経済指標とは?

2019年02月27日

米国の経済・金利動向を読み、
金相場の方向性を探る

金の国際価格は米ドル建てですので、米ドルの影響を強く受けます。では、その米ドルは何の影響を受けて上下動するのかというと、米国の経済状況や金利動向などです。ただ米国経済と一言でいっても、その範囲は広く漠然としています。

そこで、多くの投資家が参考にしているのが中央銀行の「政策金利」(景気をコントロールするための基準金利)や最新の経済状況を数値化した「経済指標」です。今回は、なかでも特に注目度の高い米国の政策金利「FF金利」と5つの経済指標を紹介します。

もともと世界最大の経済大国である米国の経済状況は、世界各国の経済にも大きな影響を及ぼすため、世界中の投資家がこれらの経済指標を注視しています。このため、市場予想とは異なる結果が発表されると、株や為替、商品などの相場が大きく動くこともあります。

<FF金利>
定期的に開催されるFOMCで誘導目標を決定

FF(フェデラル・ファンド)とは、米国の銀行が中央銀行に預けている無利息の準備預金のこと。米国では、このFFの過不足を銀行間で日々調整し合っているのですが、そのときの金利がFF金利です。米国の中央銀行に相当する連邦準備制度理事会(FRB)では、このFF金利の誘導目標を提示し、景気をコントロールしています。

FRBは金融政策を決める連邦公開市場委員会(FOMC)を定期的に開催し、そこでFF金利の目標値を決定しています。日本でいうと、FOMCは「日銀金融政策決定会合」に当たります。

2019年のFOMC開催スケジュールは、1月29-30日、3月19-20日、4月30日-5月1日、6月18-19日、7月30-31日、9月17-18日、10月29-30日、12月10-11日。2日目の午後2時(米東部時間)に声明と政策金利(FF金利)が発表されます。

さてFF金利が変わると米国の景気に次のように影響を及ぼします。

・金利引き上げ → 金融の引き締め → 景気減速

・金利引き下げ → 金融の緩和   → 景気加速

2018年12月18-19日に開催されたFOMCでは、FF金利の誘導目標レンジを従来の「2.00-2.25%」から0.25%引き上げ、「2.25-2.50%」とすることが決まりました。ただし、その後の記者会見でFRBのパウエル議長は、「19年の利上げ回数は想定していた3回ではなく、2回の可能性が高い」と、利上げペースの減速を表明しています。さらに2019年1月29~30日のFOMCでは利上げの一時停止を表明したことから、好景気にやや陰りが見え始めたといえるでしょう。

<雇用統計>

景気動向が端的に表れやすい「非農業部門雇用者数」

政策金利が発表されるFOMCの次に注目されるのは「雇用統計」です。中でも特に注目されるのは、景気動向が端的に表れやすいといわれる「非農業部門雇用者数」と「失業率」。米労働省が毎月第1金曜日に発表しています。その結果は米国の景気の状態を以下のように示しています。

・非農業部門雇用者数

前月比プラス  → 景気が良い

前月比マイナス → 景気が悪い

・失業率

前月比プラス  → 景気が悪い

前月比マイナス → 景気が良い

経済指標を読むときに注意したいのは、前回の数値だけでなく、事前にニュースで出回る市場予想と比べてどうかをチェックすること。市場予想と大きく乖離すると、マーケットに与えるインパクトが大きくなるからです。

米労働省が2019年2月1日に発表した1月の非農業部門雇用者数は、前月に比べて「30.4万人増」と、前月の22.2万人増、市場予想16.5万人増を大幅に上回り、好景気を裏付けています。失業率も「4.0%」と、前回3.9%と市場予想3.9%を上回ったものの、底堅さを維持しています。

<消費者物価指数(CPI)>
インフレを分析するための最重要指標

消費者物価指数(CPI)は、消費者が購入する商品とサービスなどの物価の動きを把握するための指標。米労働省が毎月15日前後に発表しています。すべてのものを対象とする「総合CPI」と、変動の大きい食品・エネルギーを除く「コアCPI」があります。

CPIは米国のインフレを分析するための重要指標で、FRBは物価の前年比上昇率“2%”を政策目標としています。FRBでは、2%を超えてインフレ圧力が強くなるとFF金利を引き上げて景気の沈静化を、逆に2%を下回ってデフレ圧力が強くなるとFF金利を引き下げて景気の浮揚を図ります。

米労働省が2019年2月13日に発表した1月のCPIは、コアCPIが前年前月比2.2%上昇、前月比で0.2%上昇しました。総合CPIは前年前月比1.6%上昇(前月は1.9%上昇)、前月比変わらずでした。この数値を見ると、米国の物価はFRBの政策目標近辺に抑えられていることを示しているといえるでしょう。

<実質GDP成長率>
四半期ベースの経済成長率がわかる

GDP(国内総生産)とは、一定期間内に国内で生み出されたモノ・サービスの付加価値を合計した金額のことで、国の経済規模を測るときの各国共通の基準としてよく用いられます。実質GDP成長率とは、名目GDPから物価変動の影響を除いた実質GDPの伸び率(前期比年率)で、経済成長率を表す指標として重要視されています。米商務省が四半期ベースで(四半期終了後、翌月に)速報値を発表しています。

2018年10月26日に発表された7-9月(第3四半期)の米実質GDPの速報値は、前期比年率3.5%増と、市場予想(3.3%増)を上回る結果となりました。好調な個人消費や政府の歳出拡大などが要因と見られています。

<ISM製造業景況感指数 / ISM非製造業景況感指数>
製造業とサービス業の景況感がわかる

ISM製造業景況感指数は、製造業の景況感(企業の購買担当者が感じている景気の善し悪し)を示す指標。一方、ISM非製造業景況感指数は、サービス業の景況感を示す指標です。米供給管理協会(ISM)がISM製造業景況感指数を毎月第1営業日に、ISM非製造業景況感指数は毎月第3営業日に発表しています。

どちらも指数50が景気の良し悪しを測る分岐点で、その結果は以下のような状況を示しています。

・ISM製造業景況感指数

50を上回る → 製造業が好調

50を下回る → 製造業が不調

・ISM非製造業景況感指数

50を上回る → サービス業が好調

50を下回る → サービスが不調

ISMが2019年2月1日に発表した2019年1月の製造業景況感指数は56.6と、約2年ぶりの低水準から回復しました。製造業の見通しが安定してきています。また、同5日に発表された2019年1月の非製造業景況感指数も56.7と、2ヶ月連続で低下しています。

<小売売上高>
景気を左右する個人消費の動向がわかる

個人消費の動向をつかむときに用いられるのが「小売売上高」です。米商務省が総合売上高とともに、変動の大きい自動車・同部品を除いた売上高、および自動車や家具、家電などの項目別売上高の前月比と金額を、毎月第2週に発表しています。一般に、その結果は以下のように判断されます。

前月比で増加 → 個人消費が堅調   →景気にプラス

前月比で減少 → 個人消費が落ち込み →景気にマイナス

米商務省が2019年2月14日に発表した18年12月の小売売上高は、前月比-1.2%(前年同月比+2.3%)と、市場予想(+0.2%)を下回り、景気の減速を裏付ける結果となりました(米商務省が2019年1月16日に発表を予定していた18年12月の小売売上高の発表は政府機関の一部閉鎖の影響で2月14日に発表となりました。

 

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