円相場の48年を振り返る
 

2019年03月15日

ドル/円相場の影響を強く受ける金の国内価格

金の国内(円建て)価格は、米ドル建ての国際価格とともに、米ドル/円相場の影響も強く受けます(以下、米ドル=ドル)。そのため今後の金相場を占う上では、ドル/円相場は絶対に無視できません。では、これまでドル/円相場はどのように推移してきたのでしょうか。米国が「ドルと金の交換停止」を発表し、為替相場が固定相場制から変動相場制へと動き出す1971年8月以降を振り返ってみましょう。

①1971年8月 ドルと金の交換停止(ニクソン・ショック)で「1ドル=360円」見直しへ

IMF(国際通貨基金)の加盟国(当初29カ国)は1944年以降、世界共通の価値を持つ金とドルの交換比率を「金1オンス=35ドル」と決め、各国の通貨とドルの為替レートを固定化していました。この国際通貨体制は米国ニューハンプシャー州ブレトンウッズで締結されたため、「ブレトンウッズ体制」と呼ばれています。日本も1949年1月に固定相場制を採り入れ、「1ドル=360円」に設定しました(IMFには1952年に加盟)。

ところが1971年8月に米国のニクソン大統領が「ドルと金の交換停止」などを柱とする新経済政策を発表しました。この発表はあまりにも突然だったので世界に大きな衝撃を与え、「ニクソン・ショック」と呼ばれています。ドルと金の交換停止の目的は、ドルの価値を引き下げ、貿易赤字を削減すること。実際にドルの価値が下がったため、これまでのブレトンウッズ体制は見直しせざるを得ない状況になりました。

なお、金の国内価格は1971年から1973年3月まで「1g=775円」の固定相場でした。

②1971年12月 スミソニアン合意で「1ドル=308円」に

そこで、IMF加盟国は1971年12月に米国ワシントンのスミソニアン博物館で、ブレトンウッズ体制に変わる仕組みを決める国際会議を開催し、主要通貨に対するドルの価値の切り下げを決めました。その結果、ドル/円のレートは「1ドル=308円」の固定相場に。これを「スミソニアン合意」といいます。

③1973年2月 変動相場制に移行

しかし、ドルの価値を切り下げても、米国の貿易赤字はいっこうに減りません。というのは、ドルと各国通貨の価値の差が実態とは異なり、ドル高に偏っていたため、貿易の不均衡状態が続いたからです。そこでIMF加盟国は1973年2~3月にかけて為替レートを需給に応じて自由に決める「変動相場制」に移行しました。変動相場制は、ジャマイカのキングストンで開かれたIMFの会議で決定されたため、「キングストン体制」とも呼ばれています。

④1985年9月 プラザ合意を機に急激な円高へ

1985年9月にニューヨークのプラザホテルで開催されたG5(日米英独仏5カ国の財務相・中央銀行総裁会議)で、ドルの価値を引き下げて財政・貿易赤字を減らしたい米国と、米国経済の悪化が世界経済に悪影響を及ぼすことを懸念した他国の思惑が一致し、ドル高を是正するために各国が協調介入することで合意しました。これが「プラザ合意」です。

その中身が世界に伝わると、ドルが一斉に売られ、対円レートは1ドル=238円台(年間の平均レート)から1988年には128円台まで、急速にドル安・円高が進みました。

⑤1994年6月 1ドル=100円を突破

1990年代になっても円高傾向は続き、1994年6月には1ドル=100円を突破。1995年4月には79円25銭を記録しました。

円高をもたらした主な要因は、日本の膨大な貿易黒字。バブル経済崩壊後、国内景気が低迷する中、自動車産業をはじめとする輸出企業は海外での販売を強化しましたが、そこで得た外貨は最終的に円に換えられるため、膨大な貿易黒字が円高圧力になったため。さらに、米国が貿易不均衡を是正するため、ドル安政策を進めたことも円高圧力を強めました。

⑥1995年7月 日米が円売り協調介入

1ドル=80円割れの円高を阻止するため、円売りの協調介入を日米が7月7日に(「七夕介入」と呼ばれる)、続いて日米欧が8月に実施。ドル/円レートは、年末には103円台まで戻りました。しかし、その後、日本に金融危機が発生し、1997年には山一証券、北海道拓殖銀行、三洋証券が経営破綻、円が売られる状況に。このため、1998年には147円台まで円安・ドル高が進みました。

⑦2001年9月 米国同時多発テロが発生

米国同時多発テロによって米国とドルへの信頼が揺らぎ、ドルが売られ、ユーロを買う動きが強まりました。ちょうどこの頃、米国ではITバブルが崩壊したこともあり、ドル建て資産から金への逃避が一気に加速し、金相場も上昇トレンドへと転換していきました。


⑧2011年10月 1ドル=75円32銭の史上最高値を記録

円が史上最高値をつけた主な要因は、ギリシャの財政問題に端を発する欧州債務危機で新興国から投資資金を引き上げる動きが加速し、安全性が比較的高いとされる円が買われたこと。また、米国の金融緩和に伴って日米金利差が縮小するとの見方が浮上したことなどです。

⑨2012年9月 アベノミクス、異次元緩和で円安・ドル高トレンドに

安倍晋三・自民党総裁が誕生した2012年9月からマーケットでは経済政策への期待が高まり、円安・ドル高トレンドに転じました。その後、安倍氏の経済政策「アベノミクス」や、日銀の「異次元緩和」と呼ばれる大規模な金融緩和によって、さらに円安・ドル高が加速。2012年9月時点で1ドル=80円を割れていたドル/円相場は、2015年6月には125円台まで円安が進みました。

 

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