日本の
財政破綻はあるのか?

2019年05月28日

日本の財政状況は主要先進国の中で最低レベル?

2019年度予算は、一般会計総額が101兆4571億円と、初めて100兆円を突破しました。税収は約62.5兆円を見込んでいますが、これでは必要なお金の約3分の2しか賄えません。残りの約3分の1はどうするかというと、国債で調達することになります。

日本の財政は、このように歳出が歳入(税収)を上回る状況が続いていて、図1のように1992年(平成4年)頃から歳出と歳入の差は大きく開き始めました。それを埋めるために発行されるのが国債。つまり国の借金です。

※ 2017年度までは決算、2018年度は第2次補正後予算案、2019年度は政府案。

国債の残高は図2のように年々増え続け、2019年度末には897兆円に上ると見込まれています。これは、一般会計税収(2019年度:約62兆円)のおよそ14年分!負債だけをみると、日本の財政は火の車だといえるでしょう。

では、他国と比べるとどうなのでしょう。比較の指標としてよく用いられるのが、財政収支や債務残高の対GDP(国内総生産)比です。日本は「対GDP財政収支比率」「対GDP債務残高比率」ともに、図3・4のように主要先進国の中で極めて悪い水準となっています。

日本の対GDP債務残高比率は240%に迫っていますが、歴史上、先進国がGDPの200%を超える債務を負った例は他にありません。後述するように、ギリシャが財政破綻したときでさえ債務残高はGDPの170%超でした。いかに日本の債務残高が突出しているかがお分かりいただけると思います。


出所は全て:財務省主計局『我が国の財政事情(平成31年度予算政府案)』(平成31年1月)

赤字が増えても財政は破綻しない?

こうした状況を見ると、「近い将来、日本の財政破綻は避けられないだろう」と思ってしまいますよね。でも、最近は「日本は財政破綻しない」「財政再建よりも経済成長を優先すべきだ」という論調も見受けられます。

米国でも近年、財政赤字が拡大しても財政は破綻しないとする「MMT(Modern Monetary Theory/モダン・マネタリー・セオリー)」と呼ばれる現代貨幣理論が話題になっています。これは簡単にいうと「自国通貨を自由に発行できる政府は、債務超過による財政破綻はあり得ない。高いインフレを招かない限り、政府の債務が増えても問題はない」とする経済理論です。

財政破綻とは、資金繰りに行き詰まり、借入金の返済や資金調達が正常にできなくなる状態をいいます。最近では2009年秋、巨額の財政赤字が発覚して財政危機に陥ったギリシャのケースがありますね。ギリシャの債務残高は、最終的にGDPの170%超まで膨らみ、EU(欧州連合)やIMF(国際通貨基金)が救済に乗り出しました。MMTの理論からすれば、ギリシャの通貨はユーロ圏共通のユーロだったため、ギリシャ政府が通貨を発行できず、財政破綻してしまったということになります。

ところが米国の場合だと、資金繰りに困ったら、ドルを印刷して払えばいいだけなので、いくら政府債務が増えても財政破綻することはないというわけです。MMTには賛否両論ありますが、この理論からすれば、自国通貨の円を自由に発行できる日本も財政破綻はあり得ず、巨額の政府債務も問題ないということになります。実際、政府が日銀に国債を買い取らせて、その分の紙幣を日銀が印刷して投資家に返済することは可能です。

でも、果たして本当にそう言えるのでしょうか。

財政破綻しなくても、ハイパーインフレになるかも

前述したように、日本の国債残高は年々増加の一途をたどっていますが、金利は低下傾向にあり、多額の国債を低金利で発行できてきました。しかし、政府の総債務が増加する中、財政の信認が損なわれれば、国債の安定的な消化が困難になる(購入する投資家がいなくなる)恐れがあります。さらに、市場で日本の財政が問題視されるようになると、世界中の投資家が日本国債と円を手放すようになり、国債価格の暴落(金利の急上昇)と大幅な円安をもたらすでしょう。

もしそうなったら、政府と日銀の出番です。政府が1兆ドルを超える外貨準備でドルを市場で売って円を買う一方、日銀は市場から国債を購入して国債価格の暴落に歯止めをかけます。このとき、もし資金が足りなくなったら、MMTの理論でいえば、紙幣(円)を印刷すれば大丈夫ということになります。

たしかに、日本の借金はほとんどが円建て(自国通貨建て)なので安心です。もしドルで借金していたら、ドルを調達して返済するしかありませんが、自国通貨が暴落している中でドルを調達するのは容易ではないからです。

しかも、暴落した国債を日銀が購入することによって日本の借金を大幅に減らせる可能性もあります。ですから、日本は財政破綻しないかもしれません。ただ、ハイパーインフレを招く可能性はないとはいえないでしょう。というのも、日銀による国債の大量購入によって、市場にマネーが大量供給されると、円の価値が下がり、急激なインフレを招くことになるからです。

日本は長期に渡ってデフレが続いているため、「多少のインフレなら好都合」という声もあります。ですが、それはあくまでも、「多少なら」という話。適度なところで止まるようにうまくコントロールできなかった結果起きたのが、日本のバブル経済とその崩壊なのです。

もしハイパーインフレになれば、今まで一所懸命貯めてきた円資産も水の泡となりかねません。この数年でこうした最悪の事態を招く可能性は低いとしても、前述したように国の借金が徐々に増えている以上、そのリスクも少しずつ高まっているといえるでしょう。そう考えると、円だけで資産を持つのはちょっとリスキー。国際分散投資を行うと同時に、「金」を資産ポートフォリオに組み入れて資産保全を図っておくべきと言えるかもしれません。

 

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