金銀銅の価格で分かる?
金融危機

2019年07月10日

金と銀の関係を表す「金銀比価」

金と銀の価格が大きく乖離すると金融危機が起こりやすいという話、聞いたことありますか。

その指標とされているのが、「GSR(Gold Silver Ratio)」とも呼ばれている「金銀比価」。金価格を銀価格で割って算出します。2019年6月14日の例で言えば、NY金価格は1トロイオンス=1,344.5ドル、NY銀価格は1トロイオンス=14.803ドルでしたので、

1,344.5ドル÷14.803ドル=約90.8倍

と、およそ90倍です。過去の金銀比価の推移をみると、現在の90倍というのは金がかなり割高な水準だということが分かります。

じつは、金銀比価が80倍を超えてくると「金融危機が起こりやすい」といわれています。過去を振り返ると、80倍を超えているのは、2003年頃と2009年頃、2016年頃です。NYダウのチャートを見ると、たしかに同じ頃に株価が暴落しているのが分かります。

2000年から03年頃にかけては「ITバブル崩壊」、2008年9月には「リーマン・ショック」、2016年は「チャイナ・ショック」「英国のEU離脱決定」の影響で株価が大きく下落しました。

工業需要が多い銀は景気減速で価格が下がる

金銀比価が上昇する、つまり金価格が上がって銀価格が下がると、なぜ金融危機が起きやすくなるのでしょうか。

それには、次のような理由が考えられます。

まず、投資需要が多い金は、「有事の金」といわれるように、一般に戦争やテロ、政治的な混乱といった地政学リスクや金融不安が高まると、資金の逃避先として買われるようになり、価格が上昇します。

これに対して、銀は工業用の需要が50%以上なので、景気減速が見込まれると企業の仕入れが減り、価格が下落します。

したがって、金銀比価が大きくなるということは、景気が後退局面を迎え、金融危機が起こりやすくなっているというわけです。

冒頭で紹介したように、現在の金銀比価は「約90倍」。米中貿易摩擦によって世界景気への不安がよりいっそう高まれば、金銀比価がさらに上昇するかもしれません。

世界景気の先行きを示唆する
「ドクター・カッパー」

一方、世界の景気や株価の先行指標として注目されているのが「銅」です。このため、景気や株価を診断するお医者さんという意味合いで、「ドクター・カッパー(Copper=銅)」とも呼ばれています。

なぜ景気の先行指標になっているかというと、電気を通しやすい銅は、自動車や家電、携帯電話、産業用機械など、電気を使う製品のほとんどで使用され、需要が景気に直結しているからです。銅の価格が上がっている(需要が増えている)ということは、すなわち景気が良くなっている。銅の価格が下がっている(需要が減っている)イコール、景気が悪くなっていると言っても過言ではないといえます。

日本伸銅協会によると、2015年の世界の銅鉱石生産量は1,891万トン。生産国ベスト3は、1位が約30%を占めるチリで576.4トン、2位は約9%を占めるペルーで170.1トン、3位は約8%を占める中国で150.4トンとなっています。

これに対して、2015年の世界の銅地金消費量は2,171トン。1位が約46%を占める中国で1,009トン、2位が約8%を占める米国で178トンとなっています。中国の消費量が圧倒的に多いですね。

国際的な指標とされているのは「ロンドン金属取引所(LME)の銅価格(3カ月先物)」です。このLME銅価格が2019年6月13日現在、1トン=5,858ドルと、およそ5カ月ぶりの安値をつけています。

銅価格が下落しているのは、世界の消費量の50%近くを占めている中国の銅需要が米中貿易摩擦によって減少するのではないかとの観測から売られているからです。中国の景気減速が世界経済に与える影響はやはり大きいですね。

このように「金銀比価」と「銅価格」の推移からは、世界経済の景気後退リスクは高まっているといえそうです。

このような中、金価格だけは確りとした動きを見せており、世界最大の金ETF「SPDRゴールドシェア」の残高も増加しています(2019年6月現在)。「投資の金」としての面目躍如といったところでしょうか。

 

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