ECB(欧州中央銀行)
とは?

2019年09月26日

ユーロ圏の金融政策を担う欧州中央銀行

ECBとは「European Central Bank」の略で、欧州の単一通貨「ユーロ」を採用している国々(ユーロ圏)の金融政策を担う「欧州中央銀行」のこと。1998年6月1日に設立され、本部はドイツのフランクフルトにあります。

通貨であるユーロは1999年1月に取引がスタートし、2002年1月からは紙幣・硬貨の流通も始まりました。もともと1992年に欧州首脳会議で調印された欧州連合条約(マーストリヒト条約)によって、すべてのEU(欧州連合)加盟国(2019年7月末現在、28カ国)はユーロを導入することになっていました。しかし、参加するための経済収斂基準(インフレ率・財政赤字など)を満たせなかった国や、国内世論の支持を得られなかった国などが参加を見送り、当初導入したのはドイツ、フランス、イタリアなどの11カ国でした。その後、導入国は徐々に増えて、現在は19カ国にまで拡大しています。

ユーロ圏の経済力を背景に、ユーロは国際金融市場で米ドルに次ぐ取引量を誇り、「第二の基軸通貨」と呼ばれています。

金融政策の目的は「物価の安定」

ユーロ圏では、前述したECBとユーロ圏加盟国の各中央銀行(NCBs)によって単一の金融政策が実施されています。細かくいうと、ECBはユーロ圏の金融政策を決定する役割を、NCBsは決定された金融政策に従って各国内で金融政策を実行する役割を担っています。

金融政策を決定する権限を持つECBの最高意思決定機関が「政策理事会」です。そのメンバーは、ECBの総裁・副総裁と専務理事(4人)の6人と、ユーロ圏加盟国の中央銀行総裁19人(合計25人)。政策理事会は6週間に1度開かれ、主な金融政策の発表後、ECB総裁の記者会見が行われます。

ECBの総裁は現在、前イタリア中央銀行総裁のマリオ・ドラギ総裁ですが、2019年10月末に8年の任期を終え、11月からはフランスのクリスティーヌ・ラガルド国際通貨基金(IMF)専務理事が新たに就任します。女性初のECB総裁になります。過去のECB総裁は3人とも中央銀行総裁経験者だったことから、ラガルド次期総裁の金融政策に関する経験不足を不安視する声もある一方、IMFの専務理事として欧州債務危機などを乗り越えた実績と経験が高く評価されています。

ECBが行う金融政策の主な目的は、安定した物価が経済成長や雇用創出を促すとの考えの下、「物価の安定を維持する」こと。物価の安定とは、ユーロ圏の消費者物価指数の前年比伸び率が「2%を少し下回る水準(below but close to 2%)」と定義されています。

経済大国の中央銀行の中で初めて
「マイナス金利政策」を導入

では、ECBはどのような金融政策を行っているのでしょうか。

欧州債務危機後、景気回復を図るため、ECBは経済規模の大きい国の中央銀行の中では初めて「マイナス金利政策」を導入しました。具体的には、2014年6月に預金ファシリティ金利(中銀預金金利)を▲0.10%と初めてマイナスにし、その後、3回の利下げを経て現在は▲0.40%となっています。

預金ファシリティ金利とは、民間銀行が一時的に過剰となった資金を中央銀行に預け入れるときの利子のこと。この金利をマイナスにした場合、民間銀行が中央銀行に資金を預けると逆に利子を支払わなければならなくなります。したがって、民間銀行は余剰資金を中央銀行に預け入れるのではなく、なるべく市場で運用しようと努力するようになるため、金融緩和の効果があると考えられています。

このように通貨供給量を増やし、金融機関や民間企業の資金調達を容易にすることで、景気回復を図ろうとする金融政策が金融緩和です。その方法の一つとして、国債などを買い上げて通貨供給量を増やす政策を「量的緩和(量的金融緩和政策)」といいます。

今後、ECBが政策金利を引き下げる場合は、預金ファシリティ金利を現行の▲0.40%からさらに引き下げることになるでしょう。

加えてECBでは、2015年1月から国債などを買い入れる量的緩和を、景気や物価の下振れリスクが後退する2018年12月まで続けました。その後、ようやく金融政策の正常化への転換が期待されましたが、後述するように世界景気の減速などから現在は「一度も利上げすることなく、再び金融緩和に向かう」と見られています。

2016年以来の利下げに踏み切る可能性大

ECBは、2019年7月25日の政策理事会で、以下のように3つの政策金利を据え置くと発表しました。ただし、これまで「政策金利を2020年上半期まで据え置く」としてきたものを、今回は「同期間中に政策金利をさらに引き下げる可能性もある」としています。

(1)政策金利(主要リファイナンス・オペ金利):0.00%

(2)限界貸付ファシリティ金利(限界貸出金利):0.25%

(3)預金ファシリティ金利(中銀預金金利):▲0.40%

◯主要リファイナンス・オペ金利とは、各国中央銀行が定期的に行う公開市場操作において
  金融機関が入札可能な下限金利。

◯限界貸付ファシリティ金利とは、銀行が急な資金需要が生じたときに
  オーバーナイト資金をECBから借り入れるときの金利。

◯預金ファシリティ金利とは、銀行が手元の資金を
  オーバーナイトでECBに預け入れるときの金利。

こうした背景には、米中通商摩擦の激化による世界景気の減速や米国のFRB(連邦準備制度理事会)の金融緩和への転換などが挙げられるでしょう。9月下旬(25日)に予定されている政策理事会では、2016年以来の利下げに踏み切る可能性が高いと見られています。

 

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