金投資の利益にかかる
税金とその節税対策

2020年02月10日

金の現物は5年超保有すると譲渡所得が2分の1に

個人が金現物(金地金、金貨、純金積立など)を売却して利益が出た場合、その利益は「譲渡所得」となります。

譲渡所得には年間50万円の特別控除枠が設けられているため、他の譲渡所得と合わせて50万円を超える金額が譲渡所得とみなされ、給料など他の所得と合算して「総合課税」の対象となります。総合課税の税率は、所得額が増えるほど高くなる累進課税で、15~55%(所得税+住民税)です。

税額の計算に用いる譲渡所得は、保有期間によって計算方法が変わってきます。金を保有していた期間が5年以内の場合は「短期譲渡所得」に、5年超は「長期譲渡所得」になり、長期譲渡所得の場合は譲渡所得を2分の1として計算できます。

例えば、3年前に400万円で金地金(1kg)を購入し、600万円で売却した場合は、短期譲渡所得となり、譲渡所得額は以下のようになります(他の譲渡所得がないケース。以下同じ)。

売却価格600万円-購入価格400万円-特別控除額50万円=150万円

同じケースで、もし6年前に購入していた場合は、長期譲渡所得となり、譲渡所得額は以下のようになります。

(売却価格600万円-購入価格400万円-特別控除額50万円)×1/2=75万円

つまり、売却利益は同じでも5年超保有していたほうがお得になるというわけですね。

短期譲渡所得と長期譲渡所得の両方の譲渡益がある場合でも、特別控除額は両方合わせて50万円が限度で、短期譲渡所得から先に控除することになっています。

金現物の売却益が特別控除枠50万円を超えている場合は確定申告が必要です。

相続や贈与でもらった金地金の損益計算はどうなる?

上記の譲渡所得を計算する際、「相続や贈与でもらった場合はどうなるか」という質問をよくいただきます。

金の地金を相続・贈与された場合、前の所有者(被相続人・受贈者)が取得した価格および所有期間を引き継いで譲渡損益を計算します(※1)。したがって、前の所有者が取得した価格ともらった人が売却した価格との差し引きによって損益を算出することになります。

その際、「自分で買ったものではないので、いくらで購入したのかわからない…」ということが良くあります。その場合は、一律「売却金額の5%を購入価格」として計算することになっています。

例えば、相続した金地金を600万円で売却したとすると、購入価格はわずか30万円と見なされ、売却益は570万円に。これに税金がかかるので、かなりの税金を納めることになってしまいます。ラッキーな話が一転、トホホですよね。

こんなことにならないように、相続や贈与で金地金を承継したときは、くれた人が取得した価格と年月日がわかる書類ももらって保管しておくことが大切です。

※1 相続において、限定承認により相続した場合は、相続人が取得したときの時価で取得したものとみなされます。

▼限定承認については下記参照

http://www.courts.go.jp/saiban/syurui_kazi/kazi_06_14/

※2 相続後3年10カ月以内に相続した金地金を売却する場合は、相続税が取得費に加算される特例が適用されるケースがあります。

▼相続税が取得費に加算される特例については下記参照

https://www.nta.go.jp/taxanswer/joto/3267.htm

金の先物取引では「損益通算」や「損失の繰り越し」で節税を

次に金の先物取引の税金についてぜひ知っておきたいトピックを2つ。

金の先物取引では利益になったが、FXでは損を出してしまった。このような場合、異なる商品の間で利益と損失を相殺できる「損益通算」という仕組みがあります。

例えば、金先物取引で180万円の利益、FXで100万円の損失が出た場合は、損益通算することによってトータルの利益は80万円になり、納める税金を抑えることができます。逆に金先物取引で180万円の損失、FXで100万円の利益が出た場合は、トータルすると80万円の損なので、税金はかかりません。

ただし、損益通算はどんな商品の組み合わせでもできるわけではありません。商品先物取引、FX、日経225(TOPIX)、CFDの間でなら可能ですが、株やETF(上場投資信託)などとの損益は通算できません。

節税対策としてもう一つ、年間トータルで損失が出た場合は、「3年間の損失の繰越控除」という制度を利用できます。これは金先物取引やFXなどで出た損失を、確定申告することによって「3年間繰り越すことができる」というもの。

例えば、19年に100万円の損失が出た場合、確定申告しておくと、その後3年間に出た利益は19年分の損失と相殺できます。ですから、その後3年間の利益の合計が100万円以内なら相殺され税金を納める必要はないということです。

ただし、この制度を利用するには毎年確定申告することが必要です。1年全く取引していない場合でも、申告しないと損失の繰り越しができなくなってしまうので、くれぐれもご注意を。

金先物取引は「申告分離課税」で税率20.315%

さて、金先物取引の利益にかかる税金は、雑所得として給料などの他の所得と分けて税額を計算する「申告分離課税」の対象になります。株やETF、FX、日経225(TOPIX)、CFDなども同じです。

申告分離課税の税率は、所得額にかかわらず、一律20%(所得税15%、住民税5%)。加えて、復興特別所得税がかかります(2013年1月1日から2037年12月31日までの25年間)。これは、2011年3月11日に発生した東日本大震災からの復興に用いる財源を確保するために創設された税金です。税率は所得税額に対して2.1%。したがって、トータルの税率は20.315%になります。

例えば、先の例のように損益通算してトータルの利益が100万円だった場合、納める税金は20万3,150円になります(利益100万円×20.315%)。

分離課税には、申告分離課税のほか、「源泉分離課税」があることも覚えておきましょう。税率は同じです。

申告分離課税は、1年間(1~12月)の損益を合計して、上記の税率を掛けて税額を計算します。原則として翌年の2月15日から3月15日までの間に確定申告を行い、税金を納めます。2020年の確定申告期間は2月17日(月)から3月16日(月)までです。ただし、証券会社の「源泉徴収ありの特定口座」や「NISA口座」を利用している人は確定申告をする必要はありません。

一方、源泉分離課税は、預貯金の利子や投資信託の分配金などが対象となり、所得を受け取るごとに決められた税額が天引きされ、納税が完結します。これを「源泉分離課税制度」といい、確定申告は不要です。

 

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